大勢の前で叱責をするのはパワハラなのか

大勢の他の従業員の前での叱責はパワハラだと裁判所が判断した事案がいくつも実際にあります。
一例をご紹介させていただきますので、ご参考にしてください。


福岡地裁平成31年4月15日判決(キムラフーズ事件)

会社代表者から他の従業員の面前で怒鳴りつけられた事案。「何をしている、遅い、アルバイトの作業と違うだろ!」などと怒鳴ったほか、身体への暴行もあり、一連の行為について裁判所は、業務指導の範囲を超えた人格権侵害であると判断し、50万円の慰謝料の支払いを命じた。

上記の事案がそういった判例のひとつとなります。

他の従業員の面前で叱責をするのは出来る限り避けておくのがいいかと思いますね。
特に大きなメリットもないかと思われますので、別室によんで普通の口調で叱責するのが無難でしょう。

別室によんでもあまりに強い口調で叱責をするのはリスクがありますので、普通の口調で叱責する方がメリットがあります。


 ■地公災基金愛知県支部長(A市役所職員・うつ病自殺)事件
 問題となった上司Aは、元来、話し方がぶっきらぼうで命令口調である上、声も大きく、朝礼の際等に、フロア全体に響き渡る程の怒鳴り声で「ばかもの。」、「おまえらは給料が多すぎる。」等と感情的に部下を叱りつけ、それ以外に部下を指導する場面でも、部下の個性や能力に配慮せず、人前で大声を出して感情的、かつ、反論を許さない高圧的な叱り方をすることがしばしばあり、その後にまともなフォローをすることがなかった。このようなAの指導が典型的なパワハラであると認定された事例。

上記の事件につきましては、明らかに度を越した暴言なのは当然ですが、人前で大声を出して感情的かつ高圧的なしかり方というのは当然裁判所にパワハラだと認定されております。
とりあえず、人前で大声をだして感情的かつ高圧的なしかり方ということは絶対にしないようにしておけばいいかと思いますが、どうしても我慢できないときはせめて別室にて行いましょう。
当然別室なら何を言ってもいいわけではありませんが、人前であることよりか幾分かはマシかと思いますので。

叱るのも当然仕事を行う中で、あるかと思いますができる限り相手の尊厳を踏みにじらないように丁寧な口調で相手のことを尊重したうえで行うべきです。
その行動が相手のためにも、はたまた自分自身を法律から守るための対策でもあります。

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